大西洋艦隊は、かつては大西洋地域を担当する地域別統合軍である大西洋軍(USLANTCOM、のち略称変更によりUSACOM)の隷下に置かれており、大西洋軍はキューバ危機を契機に隷下に陸軍や空軍の部隊を置くようになったものの(その経緯は統合参謀本部の統合歴史室が刊行している“The History of the Unified Command Plan 1946-1993”{{{1}}}(PDF)(英語)に詳しい)、その主力戦力は創設以来一貫して大西洋艦隊隷下の海上部隊であった。また、陸軍部隊の司令官(大西洋陸軍司令長官、CINCARLANT)や空軍部隊の司令官(大西洋空軍司令長官、CINCAFLANT)がともに専任でなかったこともあり、専任かつ主力戦力の司令官であるCINCLANTFLTがCINCARLANT、CINCAFLANTに比して重要度の高いポストとして扱われた。このような背景から、1947年の大西洋軍創設以来、1985年10月に改められるまでの約40年間にわたり、大西洋軍司令長官(Commander-in-Chief, U.S. Atlantic Command)が大西洋艦隊司令長官、さらにはNATOの大西洋連合軍最高司令官(SACLANT)を兼ねるという人事が採られてきた。1985年10月をもって、大西洋軍司令長官職と大西洋艦隊司令長官職の兼任人事は廃され、大西洋艦隊司令長官は新たに大西洋軍副司令長官(Deputy Commander-in-Chief, U.S. Atlantic Command)を兼ねることとされた。ただし、その兼任人事も1986年9月に1年足らずで廃されている。