カルロ・リテンは1879年、アントウェルペンの生まれ。父はベルギー人、母はイタリア人だった。優れた舞台俳優、朗誦者であった彼は当時ヨーロッパとアメリカで広く知られた存在だった。エルガーの『カリヨン』、『ベルギーの旗』、『砂漠での声』で朗誦を務めている。第一次世界大戦後は3つの映画『The Strongest』(1920年)、『L'Affaire du train』(1921年)、『The Mysteries of Paris』(1922年)に出演する。ロンドンのSaturday Review紙の副編集者であったジョン・パーマーはリテンが「存命の人物の記憶の中で最高の素晴らしい声を持っている。(中略)響き、訴求力、魅力の点で私がこれまでに知る俳優の中で最も優れている。洗練された知性に裏付けられた身振りと表現力がこれに加わり、我々は類稀なる個性を目にすることになるのである」