Zanker, Paul (1995). The Mask of Socrates: The Image of the Intellectual in Antiquity. University of California Press. pp. 28–30. ISBN9780520201057. https://archive.org/details/masksocratesimag00zank. "詩人が肩にかけた外套はその下の裸体をさらに際立たせ、それまで目立たなかった細部に人々の注目を集めた。彼はインフィビュレーション(またはギリシア語でキュノデスメ)と呼ばれる方法で陰茎と包皮を紐で結わえつけていたのである。……同時代の多くの陶器に描かれたキュノデスメを含む装飾画からはまた違った情景も窺われる。そこに描かれるのはほぼ全てが饗宴の参加者であり、詩人アナクレオンと同様の方法で男根を結び上げている者たちは決まって顎ひげを蓄えた壮年かさらに年長者である。戯画的な効果を狙って好色な神サテュロスが同時に描かれている場合もあるが、長く伸びた陰茎、特にその先端を露出することは破廉恥で不名誉なことであるため、そのように描かれるのは奴隷または野蛮人のみである。人によっては広がった包皮がもはやちゃんと締まらず、長い陰茎が見苦しい形でぶらさがることになりかねないので、そういう美しくない光景を避けるために紐を用いることができた(少なくとも壺絵の証拠から判断するかぎり)。壺絵からはまた、これが広く行われた習慣であったことも明らかである。これは酒宴のさい特に年長の参加者について期待される、謙虚さと礼儀正しさの表現であると考えられる。善美(カロカーガティアー kalokagathia)のイデオロギーにおいては美しい外観は高い倫理的価値の表れであることがここにも示されているのである。"