エロトマニア型妄想性障害者に、相手との現実的な接触を避ける傾向があることについては、D. オライオン, 1999, pp.40, 63, 及びNacht et Racamier, 1958, p.490 https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k54440914/f492.item を参照。後者においては、「エロトマニアは、恋愛の親密さに対する最も根源的な防御の一つである」と述べられている。純粋型のエロトマニアは相手からの拒絶を恐れ、実際に親密な間柄に発展することに恐怖心をもっているため、セックス面においても、感情面においても、相手と関係を持ちたいという欲求は、その恐れによって相殺されている(P. E. ミューレン / M. パテ / R. パーセル, 2003, p.178)。自らの恋愛感情を表明し、相手からの度重なる拒絶にもかかわらず交際関係を望んで執拗にストーキングをするケースについては、しばしば「ボーダーライン・エロトマニア」という概念の方があてはまる。「ボーダーライン・エロトマニア」は、現実には自分を拒絶している相手が「自分を愛している」とするような妄想は抱かない(J. R. Meloy, 1989. http://drreidmeloy.com/wp-content/uploads/2015/12/1989_UnrequitedLovea.pdf )。ミューレンらは、クレランボー症候群に見られるような倒錯的な妄想がなく、ノーマルな感情の極端型といえるような愛の狂気を「病的心酔」として、メロイの「ボーダーライン・エロトマニア」と同一視している(P. E. ミューレン / M. パテ / R. パーセル, 2003, pp.164-170)。
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エロトマニア型妄想性障害者に、相手との現実的な接触を避ける傾向があることについては、D. オライオン, 1999, pp.40, 63, 及びNacht et Racamier, 1958, p.490 https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k54440914/f492.item を参照。後者においては、「エロトマニアは、恋愛の親密さに対する最も根源的な防御の一つである」と述べられている。純粋型のエロトマニアは相手からの拒絶を恐れ、実際に親密な間柄に発展することに恐怖心をもっているため、セックス面においても、感情面においても、相手と関係を持ちたいという欲求は、その恐れによって相殺されている(P. E. ミューレン / M. パテ / R. パーセル, 2003, p.178)。自らの恋愛感情を表明し、相手からの度重なる拒絶にもかかわらず交際関係を望んで執拗にストーキングをするケースについては、しばしば「ボーダーライン・エロトマニア」という概念の方があてはまる。「ボーダーライン・エロトマニア」は、現実には自分を拒絶している相手が「自分を愛している」とするような妄想は抱かない(J. R. Meloy, 1989. http://drreidmeloy.com/wp-content/uploads/2015/12/1989_UnrequitedLovea.pdf )。ミューレンらは、クレランボー症候群に見られるような倒錯的な妄想がなく、ノーマルな感情の極端型といえるような愛の狂気を「病的心酔」として、メロイの「ボーダーライン・エロトマニア」と同一視している(P. E. ミューレン / M. パテ / R. パーセル, 2003, pp.164-170)。