バランシンは当初、故郷のマリインスキー劇場と雰囲気が似ているメトロポリタン歌劇場を気に入っていたが、歌劇場の経営陣がバレエの予算を出し渋り、リハーサルではオケの演奏をつけさせずピアノだけで済ませるなどしたため、次第に両者の関係は悪化した。 cf. Bernard Taper, Balanchine, pp.165-168., 1996, U. of California Press. なおメトロポリタン時代の作品に『オルフェオとエウリディーチェ』(1936年)、『カルタ遊び』(1937年原版)などがある。前者はC・W・グルックのオペラをバレエ化した作品で、声楽も動員するものであったが結局失敗に終わり、現在はレパートリーに残っていない。