グロスマンがマネジメントをしていた(白人の)ポール・バターフィールド率いるThe Butterfield Blues band は、メンフィス・スリム(英語版)ら黒人の大物たちが出演したブルース・ワークショップのトリを務めたが、ローマックスはこのバンドが、彼らが模倣している(黒人の)偉大なブルース・アーティストたちと同じように本当にブルースが演奏できるものなのか、と疑問を呈したという。グロスマンは、これに腹を立て、ローマックスを腕ずくで襲ったという。当時、バタフィールド・ブルース・バンドのギタリストだったマイケル・ブルームフィールドは、次のように述べている。「偉大な民俗学者、音楽学者のアラン・ローマックスが、何かの説明をはじめたが、僕には聞こえてもいなかった。だが、アルバートはそれを侮辱だと受け取り、頭に来た。次に気づいたら、ショーの真っ最中に何千人もの観客が見てるニューポート・フォーク・フェスティバルのど真ん中で、ローマックスとグロスマンが床の上で取っ組み合ってた。二人とも服はボロボロになってた。僕らは二人を引き離さなきゃならなかった。そして「アラン、何てこった、マネージャーじゃないか!」と気づいた始末だった。 Jan Mark Wolkin, Bill Keenom, and Carlos Santana's, Michael Bloomfield: If You Love These Blues (San Francisco: Miller Freeman Books), p. 102。Alan Lomax: Selected Writings Ronald D. Cohen, ed. (London: Routledege), p. 192.に収められた、Ronald D. Cohen による "Part III, The Folk Revival (1960s)" の introduction も参照のこと。バタフィールド・ブルース・バンドは、問題となったディランの演奏の際にもバックを務めていた。
このアルバムは、1960年に『Songs of the Lincoln and International Brigades』と題したLPの片面として再発売された。このときのもう一面には、1938年に空襲下のバルセロナで録音された、エルンスト・ブッシュと、ナチス・ドイツからの亡命者から成るテールマン大隊 (Thälmann Battalion) 員のコーラスによる伝説的アルバム『Six Songs for Democracy』が収められていた。その「民主主義のための6曲」とは、「Moorsoldaten(Peat Bog Soldiers)」 (ドイツの強制収容所の政治囚の作)、「Die Thaelmann-Kolonne」、「Hans Beimler」、「Das Lied Von Der Einheitsfront (Song Of The United Front)」 (ハンス・アイスラーとベルトルト・ブレヒトの作)、 「Der Internationalen Brigaden (Song Of The International Brigades)」、「Los cuatro generales (The Four Insurgent Generals)」であった。